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2.
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§2-1
シャッター街に停車した派手なロケバスは、実は移動型の基地だった。
通信機器や機械が設置され、モニターの映像を4人が見つめていた。
「監視されてるとも知らないで、いい気なものね。…証拠はそろったわ、行きましょモモ」
モニター画面には、フル太たちを捕らえた広角映像が写っていた。


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§2-2
「どきなさい!愛と自由の戦士リバティ・リングが悪を成敗しにきてやったわ!」
コスプレした一団があたりを威嚇しながら、フル太の所へやってきた。
「ここにいたの…ふーん。で、ご満悦ってわけね!この変態」
女の娘はフル太を踏みつけた。
「な、何をするんだこのクソ…いや、キミわー」
「知らないの?…リバティ・リングよ! リバティ・リングのモモちゃんよ」
そういえば、ヒロイン戦隊ものの特撮ドラマで、そんなのが有った気がする。
しかし、ロケだとしても何故、踏みつけられるのか?憤慨が収まるはずがない。
「バカねー。特撮ドラマはカモフラージュ。本当はリアルな活動が本業なの。
それで…フル太だっけ。ゲストパスを手に入れたアンタがここまで案内してくれたというわけ。
パスは偶然手に入れたと思ってるの?ほんとおめでたいわねー」
納得はいかないが、ゲストパス入手の経緯については腑に落ちる点があった。


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§2-3
フロアから通路をはさんで向かい側にウドー会長の部屋がある。
ウドーは金庫室の扉を開き、青筋を立てて怒っていた。
「ぬぅ~、なっ!無い~~っ!!!! 何処のどいつだぁ~~」
苦労の末、手に入れた大切な物が金庫室から消えていたのだ。
店内で騒ぎが起き、ウドーはフロアへ飛び出した。


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§2-4
「なんだ!お前らは」
リバティ・リングのメンバーにウドーが立ちはだかる。
「やっと親玉の登場ね。以前から調べてたのよ。この悪事は言い逃れできないわね」
「悪事…ん、待てよ?…以前からってことは、キサマらの仕業か!
 苦労して手に入れたアレを!渡さんぞアレは!返せ!」
「何だか知らないけど、どうでもいいわ。抵抗するならブチのめすだけよ」
話はかみ合わないが、襲いかかるウドーたちをモモたちは迎え撃った。
ウドーをはじめ屈強な用心棒たちだが、リバティ・リングも単なるアイドルではない。
格闘アスリートな上に特殊な技も持っている。
「ここじゃ大惨事になるから、爆炎は勘弁してあげるわ」
それぞれ凶悪な武器威力を使うまでもなく、モモたちの圧勝で終わってしまった。


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§2-5
「観念しなさい、警察も呼んだわ。もう来るころね」
タイミングよく、警官の一団がなだれ込んできて、ウドーは手錠をかけられた。
女警官はウドーと話をするとモモとフル太を呼んだ。
「ちょっと、そこのお嬢ちゃんとメガネくん。盗難の件で一応、金庫室を見て欲しいんだけど」
「なんで、わたしがそんな事を…」
ブツブツ文句を言いながらモモは、女警官に促されるまま金庫室へ向かった。


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§2-6
ウドーが開けた金庫室をモモは、覗き込んだ。
「大体、この部屋自体入ってないし、知らないわよこんな…!ぐッ」
モモは女警官の電気ショックで気を失ってしまった。
驚いて言葉を失なうフル太の横で、ウドーが女警官を褒めた。
「よし、キョウコ、うまいぞ。
こいつはアレの価値を何処かで知って、知らばっくれてるに違いないんだ」
女警官はウドーの仲間だったのだ。
「おれは、一度、警察へ顔を出してから隠れ家で合流だ。助手に娘を2、3人連れてゆけ
 …そしてお前もだ、警察の厄介になりたくなけりゃついて行くんだな」
モモの携帯端末でスケジュールを確認し、先に帰るよう偽のメッセージを他メンバーに送った。
まだ気絶してるモモをバッグに詰め込むと裏口から運び出した。
キョウコは、何食わぬ顔で警察トラックを裏道まで運転し、バッグとフル太たちを載せ走り出した。


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