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10.
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§10-1
「まだ、邪魔する奴がいたのか」
そこにはセリカの他に、たった今、駆け着けたラウラとアンコの魔宮トリオが揃っていた。
「待たせたわね、真打ちの登場よ」
アナミアはキョウコをいたぶるのを止めた。
「おまえ達は、魔宮の手の者だな。胚玉を渡せ!」
「目ざといですわね。噂には聞いてたけど敵対勢力と会うのは初めてよ。
貴女たちは…GAS教会の飼われ犬?狂徒かしら。お手並み拝見しますわ」
お互いに死力を尽くした闘いになった。
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§10-2
魔宮トリオは、魔宮のテクノロジーでそれぞれの特徴を強化している。
アンコはパワーと体術スキルで、ドーピング状態のガルドと互角に渡り合う。
ラウラは、外見上特徴が見られないが、体内の神経や免疫の強度と速度が武器だ。
アナミアの超音波攻撃もラウラには全く効果がない。
セリカは…、元々頭脳派だから肉体強化は意味が無いが、タフな体にはなっているようだ。
闘いは魔宮トリオが優位だが、アナミアも秘薬でねばり強く耐えるので圧倒できない状態が続いた。
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§10-3
こう着状態にしびれを切らし、突然セリカが小箱を開けて見せた。
「…これ、な~んだ!」
そこには奇妙な形の石、胚玉が入っていた。
「欲しい?ん。欲しけりゃあげてもいいかな~…じゃあ、取ってこーい」
セリカは小箱を森の奥へ思い切り投げると、箱はかなり遠くまで飛んで行ってしまった。
「キサマ…ま、待て、あれは偽物だろう。大事な胚玉をお前たちが捨てるわけがない」
「さあ、どうかな。あれを投げたの見なかったの?
はやく、行かないと本当に無くなっちゃうかもよ。ふーん、嘘だと思って探さないんだ」
アナミアたちは、何も言わず箱を投げた森へ消えて行った。
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